私がやっているラジオの仕事には社員やアルバイトを含め、多くの人間が関わっている。
たまに新卒の社員や学生のADさんとコミュニケーションを取ることがあり、仕事観や心構えみたいな話になる。
私は二十代後半から現在(38歳)までフリーランスで突き通してきたこともあり会社員時代の話は既に古く、その時はフリーランスとしての私なりの持論を展開している。よく話に上がるのが給料の使い道だ。
初給料に関しては決まって「お世話になった両親、もしくはそれに代わる方に報告がてらの粗品を!」と話している。
この時大事なのはそれがあなたの仕事に関連する物である事と、あくまで粗品である事だ。
飲食関係であれば店で扱っている商品や食事券、アパレルであれば小さなアクセサリーなど。貰う側を想像すればあなたの仕事がうっすら垣間見える粗品が喜ばれる事は容易に想像がつく。容易に想像がつくといえば粗品である事もそうだ。初任給で高価な物を貰うのは嬉しいことは嬉しいがどうしても心配が勝ってしまう。
普段の給料の使い道についてもよく話題に上がる。
私が新卒の頃は貯金の大きさがやりくり上手のバロメーターみたいなところがあったが今はそうではないと考えている。貯金を作るためにできるはずの経験や体験を削るのはあまりに勿体無い。
私の場合、経験や体験は全て貴重な情報であり、その情報は仕事でのアウトプットの質に直接繋がる。
ラジオパーソナリティだからとか、イベントMCやってるからではなく、経験上これはおそらくどの仕事にも言える事だと思っている。
旅行に行く、ライブに行く、映画を観る、食を探求する、建築を見る、人に会う、文化や芸能に触れるなどなど、若者であればこれらはむしろ貯金を削ってでもしておきたい。
仕事の質に関わってくるし、もしかしたら人生の質も変えるかもしれない。
しかし、何か新しい事を始める時に貯金があなたの堅牢な足場になる事も確かだ。
貯金と経験・体験。この辺のバランスは人によって異なるだろう。
ちなみに38歳、妻と2人の子供がいる私は、給料をまだ経験・体験にかなり振っている。
どうやらこの高齢化社会、私の年齢はまだ若い方に分類されるらしいからだ。
「見聞を広めに行ってくる」というのが外出の際まだ言い訳として通用しそうだ。